バックナンバー

2023/5/8 14:28
「かわさきの文化財」メールマガジン

(再送)かわさきの文化財メールマガジン 第86号

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○
先程お送りしたメルマガの文字の中に「文字化け」の部分があるとのご指摘をいただきましたので、再送いたします。

◆◇◆史跡めぐり「古代の“橘樹”を歩こう!!」の参加者を募集します◆◇◆

 橘樹官衙遺跡群の「橘樹(たちばな)」は、現在の川崎市域に奈良時代に設置された橘樹郡の名前から来ています。「橘樹」という地名は、日本最初の正史である『日本書紀』の中に「橘花」が登場しており、今から遡ること約1,450年以上前には、現在の川崎市あたりが「たちばな」と呼ばれていたことがわかります。
 今回は、古代の川崎市役所ともいえる高津区千年や宮前区野川本町3丁目に広がる国史跡橘樹官衙遺跡群とその周辺に点在する縄文時代から江戸時代までのさまざまな遺跡や文化財をめぐり、「橘樹」の地に受け継がれてきた歴史を肌で感じ、遺跡や文化財の保護・活用への理解を深めていただきたく史跡めぐりを実施いたします。
 この機会にぜひご応募ください。

・日時   令和5年6月10日(土)荒天中止・小雨決行 
       13:00~16:30(12:50集合)
・集合場所 高津区役所橘出張所(高津区千年1362-1)  
・定員    30名 ※応募者多数の場合は抽選
・参加費  無料

☆申込み方法☆ 
文化財課ホームページからフォームメール又は往復はがきにて(1通につき2名まで申込み可能)
・フォームメール【令和5年5月19日(金)まで】 
https://sc.city.kawasaki.jp/multiform/multiform.php?form_id=7883&_ga=2.86093912.1711739740.1683502775-945919437.1679636565&_gl=1*1q6xlt0*_ga*OTQ1OTE5NDM3LjE2Nzk2MzY1NjU.*_ga_DSC10H9D01*MTY4MzUwMjc3NS42NS4xLjE2ODM1MDI3NzkuNTYuMC4w
・往復はがき【令和5年5月19日(金)消印有効】
住所、氏名(ふりがな)、年齢(開催日時点)、電話番号を記入して文化財課あてにお送りください。お二人でお申込みの場合は、上記の情報と併せて2人目の氏名・年齢・連絡先を記入してください。
※応募はフォームメール、往復はがきのどちらかになります。

詳細はホームページでご確認ください。
https://www.city.kawasaki.jp/880/page/0000150884.html

◆◇◆川崎まいぶん職員独り言(3)~古代影向寺の伽藍配置はどうだった?!(1)~◇◆◇
 みなさんこんにちは。このコーナーを覚えてますでしょうか。私が普段から頭の中で「こうではないか」、「ああだったらいいな」と根拠なく考えている川崎市域の歴史について紹介してみようという、「川崎まいぶん職員独り言」です。約1年ぶりに第3回をお送りします。改めて注意していただければと思いますが、このコーナーはあくまでも私の『独り言(個人的考え)』であって、まだ科学的・歴史的検証が行われていないものである、ということを十分ご理解していただきながら、読んでいただければと思います。
 さて今回から3回にわたり、宮前区野川本町3丁目にあります影向寺境内に眠る古代寺院の伽藍の変遷等についてお話をしたいと思います。
 文化財課が開催している講座や史跡めぐり等に参加された方々や歴史好きな方々はご存じだと思いますが、影向寺(ようごうじ)は飛鳥時代(7世紀後半)に創建され、現在までその法灯が続く古刹です。古代影向寺は、古代橘樹郡の役所跡である橘樹郡家跡のすぐ西側に造営され、おそらく郡家と密接な関係をもった寺院であったと思われます。古代影向寺については、これまで境内等で多くの発掘調査が実施されており、飛鳥時代から平安時代にかけての建物跡や当時屋根に葺かれていた大量の瓦等が発見されています。
 現在の影向寺は、17世紀末に建てられた本堂である薬師堂(神奈川県指定文化財)がありますが、それ以外は全て最近建てられた建物です。では、古代の伽藍はどのような姿をしていたのでしょうか。これまでは、今の薬師堂とほぼ同じ場所に金堂が、少し遅れて薬師堂の南東側にある影向石のあたりに塔が建てられ、この2つの建物が古代寺院の主要伽藍であったと考えられてきました。
 しかし、最近実施した発掘調査の成果等によって、古代影向寺の主要伽藍の考え方を修正しなければならなくなってきました。その成果の1つは、薬師堂南西側で発見した南北に長い大型の建物跡です。この建物跡は掘立柱建物ですが、柱を立てる際に掘られた柱穴が大きく、また古代の金堂の位置や規模を踏襲していると推定される薬師堂の主軸方位と同じ主軸方位で建てられていること等から、古代影向寺の主要伽藍の1つと考えています。
 ただし、この柱穴の底に柱が沈まないよう置かれた瓦が見つかっているので、柱の受け材として利用できる瓦があった、創建から少し時を経た頃に建てられた施設と考えられます。では、どのような施設であったのか考えてみましょう。一般的な古代寺院の伽藍には、金堂、講堂、塔等があり、古代影向寺でも金堂と塔が見つかっています。
 そうした点から考えると、これまで発見されていなかった講堂である可能性が高いと考えています。ただ、この建物とほぼ同じ場所で平安時代の竪穴建物が見つかっているので、平安時代にはすでになかったと考えられます。古代影向寺の伽藍は、これまでの想像以上に、多くの変遷を経ていたことが分かってきました。歴史に興味のある方々は、ますます古代影向寺から目が離せなくなってきたのではないでしょうか。
 次回は、もう1つの新しい発見をもとに、面白いお話したいと思います。楽しみにしていていただけたらと思います。                      (つづく)

〇〇〇編集者のつぶやき〇〇〇
 令和5年度最初の橘樹官衙遺跡群活用事業です。今年度は、橘樹官衙遺跡群の整備に伴う建物復元工事に合わせて見学会等も実施します。もちろん、継続して実施している「橘樹学」も予定していますので文化財課ホームページ、各施設に配布するチラシ等でご確認ください。メルマガでも配信します!
  
 川崎市内の文化財に関する解説等は文化財課ウェブサイトもご利用ください。https://www.city.kawasaki.jp/880/category/10-6-0-0-0-0-0-0-0-0.html

2023/5/8 11:50
「かわさきの文化財」メールマガジン

かわさきの文化財メールマガジン 第86号

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○
◆◇◆史跡めぐり「古代の“橘樹”を歩こう!!」の参加者を募集します◆◇◆

 橘樹官衙遺跡群の「橘樹(たちばな)」は、現在の川崎市域に奈良時代に設置された橘樹郡の名前から来ています。「橘樹」という地名は、日本最初の正史である『日本書紀』の中に「橘花」が登場しており、今から遡ること約1,450年以上前には、現在の川崎市あたりが「たちばな」と呼ばれていたことがわかります。
 今回は、古代の川崎市役所ともいえる高津区千年や宮前区野川本町3丁目に広がる国史跡橘樹官衙遺跡群とその周辺に点在する縄文時代から江戸時代までのさまざまな遺跡や文化財をめぐり、「橘樹」の地に受け継がれてきた歴史を肌で感じ、遺跡や文化財の保護・活用への理解を深めていただきたく史跡めぐりを実施いたします。
 この機会にぜひご応募ください。

・日時   令和5年6月10日(土)荒天中止・小雨決行 
       13:00~16:30(12:50集合)
・集合場所 高津区役所橘出張所(高津区千年1362-1)  
・定員    30名 ※応募者多数の場合は抽選
・参加費  無料

☆申込み方法☆ 
文化財課ホームページからフォームメール又は往復はがきにて(1通につき2名まで申込み可能)
・フォームメール【令和5年5月19日(金)まで】 
https://sc.city.kawasaki.jp/multiform/multiform.php?form_id=7883&_ga=2.86093912.1711739740.1683502775-945919437.1679636565&_gl=1*1q6xlt0*_ga*OTQ1OTE5NDM3LjE2Nzk2MzY1NjU.*_ga_DSC10H9D01*MTY4MzUwMjc3NS42NS4xLjE2ODM1MDI3NzkuNTYuMC4w
・往復はがき【令和5年5月19日(金)消印有効】
住所、氏名(ふりがな)、年齢(開催日時点)、電話番号を記入して文化財課あてにお送りください。お二人でお申込みの場合は、上記の情報と併せて2人目の氏名・年齢・連絡先を記入してください。
※応募はフォームメール、往復はがきのどちらかになります。

詳細はホームページでご確認ください。
https://www.city.kawasaki.jp/880/page/0000150884.html

◆◇◆川崎まいぶん職員独り言(3)~古代影向寺の伽藍配置はどうだった?!(1)~◇◆◇
 みなさんこんにちは。このコーナーを覚えてますでしょうか。私が普段から頭の中で「こうではないか」、「ああだったらいいな」と根拠なく考えている川崎市域の歴史について紹介してみようという、「川崎まいぶん職員独り言」です。約1年ぶりに第3回をお送りします。改めて注意していただければと思いますが、このコーナーはあくまでも私の『独り言(個人的考え)』であって、まだ科学的・歴史的検証が行われていないものである、ということを十分ご理解していただきながら、読んでいただければと思います。
 さて今回から3回にわたり、宮前区野川本町3丁目にあります影向寺境内に眠る古代寺院の伽藍の変遷等についてお話をしたいと思います。
 文化財課が開催している講座や史跡めぐり等に参加された方々や歴史好きな方々はご存じだと思いますが、影向寺(ようごうじ)は飛鳥時代(7世紀後半)に創建され、現在までその法灯が続く古刹です。古代影向寺は、古代橘樹郡の役所跡である橘樹郡家跡のすぐ西側に造営され、おそらく郡家と密接な関係をもった寺院であったと思われます。古代影向寺については、これまで境内等で多くの発掘調査が実施されており、飛鳥時代から平安時代にかけての建物跡や当時屋根に葺かれていた大量の瓦等が発見されています。
 現在の影向寺は、17世紀末に建てられた本堂である薬師堂(神奈川県指定文化財)がありますが、それ以外は全て最近建てられた建物です。では、古代の伽藍はどのような姿をしていたのでしょうか。これまでは、今の薬師堂とほぼ同じ場所に金堂が、少し遅れて薬師堂の南東側にある影向石のあたりに塔が建てられ、この2つの建物が古代寺院の主要伽藍であったと考えられてきました。
 しかし、最近実施した発掘調査の成果等によって、古代影向寺の主要伽藍の考え方を修正しなければならなくなってきました。その成果の1つは、薬師堂南西側で発見した南北に長い大型の建物跡です。この建物跡は掘立柱建物ですが、柱を立てる際に掘られた柱穴が大きく、また古代の金堂の位置や規模を踏襲していると推定される薬師堂の主軸方位と同じ主軸方位で建てられていること等から、古代影向寺の主要伽藍の1つと考えています。ただし、この柱穴の底に柱が沈まないよう置かれた瓦が見つかっているので、柱の受け材として利用できる瓦があった、創建から少し時を経た頃に建てられた施設と考えられます。では、どのような施設であったのか考えてみましょう。一般的な古代寺院の伽藍には、金堂、講堂、塔等があり、古代影向寺でも金堂と塔が見つかっています。そうした点から考えると、これまで発見されていなかった講堂である可能性が高いと考えています。ただ、この建物とほぼ同じ場所で平安時代の竪穴建物が見つかっているので、平安時代にはすでになかったと考えられます。古代影向寺の伽藍は、これまでの想像以上に、多くの変遷を経ていたことが分かってきました。歴史に興味のある方々は、ますます古代影向寺から目が離せなくなってきたのではないでしょうか。
 次回は、もう1つの新しい発見をもとに、面白いお話したいと思います。楽しみにしていていただけたらと思います。                      (つづく)

〇〇〇編集者のつぶやき〇〇〇
 令和5年度最初の橘樹官衙遺跡群活用事業です。今年度は、橘樹官衙遺跡群の整備に伴う建物復元工事に合わせて見学会等も実施します。もちろん、継続して実施している「橘樹学」も予定していますので文化財課ホームページ、各施設に配布するチラシ等でご確認ください。メルマガでも配信します!
  
 川崎市内の文化財に関する解説等は文化財課ウェブサイトもご利用ください。https://www.city.kawasaki.jp/880/category/10-6-0-0-0-0-0-0-0-0.html

2023/2/28 14:00
「かわさきの文化財」メールマガジン

かわさきの文化財メールマガジン 第85号

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○
◆◇◆蟹ヶ谷古墳群 第8次調査現地見学会を開催します◆◇◆

 蟹ヶ谷古墳群には、6~7世紀の古墳が4基残っています。川崎市教育委員会では、古墳群の価値を明らかにするため、継続的に調査を実施してきました。また、周辺には川崎市初の国史跡である橘樹官衙遺跡群があり、蟹ヶ谷古墳群と関係があると考えられています。今回は2号墳と4号墳で、古墳の形や埋葬施設などを確認するため、発掘調査を実施しております。
 川崎市にとって重要な遺跡である蟹ヶ谷古墳群の調査成果をみなさまにいち早く知っていただくため、次のとおり、現地見学会を開催いたします。ぜひお越しください。

・日時   令和5年3月4日(土)荒天中止・小雨決行 11:30~受付開始
       第1回説明 12:00~12:40
       第2回説明 13:00~13:40
       第3回説明 14:00~14:40

・会場   蟹ヶ谷古墳群現地(高津区蟹ヶ谷109 神庭特別緑地保全地区内)  

・アクセス 東急東横線「日吉駅」から、東急バス(日23系統)「さくらが丘」行き→「さくらが丘」下車→徒歩10分
       JR南武線「武蔵溝ノ口駅」から、東急田園都市線「溝の口駅」から東急バス(溝22 系統)「蟹ヶ谷」行き→「蟹ヶ谷」下車→徒歩20 分
      
※参加費は無料です。申込みも不要で、各回とも参加は自由です。

注意点 ※現地には駐車場がありませんので、バス等の公共交通機関をご利用ください。
      ※現地にはトイレがありませんので、ご注意ください。

お問合せ 川崎市教育委員会事務局文化財課 TEL 044-200-3306
当日のお問合せ 080-7478-1935(9:00~14:00)

◆◇◆橘樹官衙遺跡群の第1期整備が始まりました!!◆◇◆
 前回(84号)のメルマガでもお知らせしましたが、令和5年2月1日(水)から高津区千年にある「たちばな古代の丘緑地」及びその隣接地の史跡公園整備工事が始まりました。
 整備工事の様子については文化財課ホームページで随時更新します。
 刻々と変化する現地の様子をお楽しみください。

※史跡公園整備工事のホームページはこちら
https://www.city.kawasaki.jp/880/page/0000147983.html


〇〇〇編集者のつぶやき〇〇〇
 平成26年から始まった蟹ヶ谷古墳群の発掘調査は今回で一区切りとなりますので、みなさま現地見学会にご参加ください。お待ちしております。
 ついに、橘樹官衙遺跡群の第1期整備工事が始まりました。公園整備工事・建物復元工事と約1年間続きますので、出来上がっていく過程をホームページでお楽しみください。
 
 川崎市内の文化財に関する解説等は文化財課ウェブサイトもご利用ください。https://www.city.kawasaki.jp/880/category/10-6-0-0-0-0-0-0-0-0.html

2023/2/15 18:44
「かわさきの文化財」メールマガジン

かわさきの文化財メールマガジン 第84号

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○
◆◇◆史跡めぐり「古代の“橘樹”を歩こう!!」の参加者を募集します◆◇◆

 橘樹官衙遺跡群の「橘樹(たちばな)」は、現在の川崎市域に奈良時代に設置された橘樹郡の名前から来ています。「橘樹」という地名は、日本最初の正史である『日本書紀』の中に「橘花」が登場しており、今から遡ること約1,450年以上前には、現在の川崎市あたりが「たちばな」と呼ばれていたことがわかります。
 今回は、古代の川崎市役所ともいえる高津区千年や宮前区野川本町3丁目に広がる国史跡橘樹官衙遺跡群とその周辺に点在する縄文時代から江戸時代までのさまざまな遺跡や文化財をめぐり、「橘樹」の地に受け継がれてきた歴史を肌で感じ、遺跡や文化財の保護・活用への理解を深めていただきたく史跡めぐりを実施いたします。
 この機会にぜひご応募ください。

・日時   令和5年3月25日(土)荒天中止・小雨決行 
       13:00~16:10(12:50集合)
・集合場所 子母口旭田公園(高津区千年子母口826-29)  
・定員    30名 ※応募者多数の場合は抽選
・参加費  無料

☆申込み方法☆ 
文化財課ホームページからフォームメール又は往復はがきにて(1通につき2名まで申込み可能)
・フォームメール【令和5年2月24日(金)まで】 
https://sc.city.kawasaki.jp/multiform/multiform.php?form_id=7735&_ga=2.133959630.1909453462.1675815920-1277611594.1675815920&_gl=1*1tqeoil*_ga*MTI3NzYxMTU5NC4xNjc1ODE1OTIw*_ga_DSC10H9D01*MTY3NTgxNTkyMC4xLjEuMTY3NTgxNTkzNi40NC4wLjA.
・往復はがき【令和5年2月24日(金)消印有効】
住所、氏名(ふりがな)、年齢(開催日時点)、電話番号を記入して文化財課あてにお送りください。お二人でお申込みの場合は、上記の情報と併せて2人目の氏名・年齢・連絡先を記入してください。
※応募はフォームメール、往復はがきのどちらかになります。

詳細はホームページでご確認ください。
https://www.city.kawasaki.jp/880/page/0000147489.html

〇〇〇編集者のつぶやき〇〇〇
 高津区千年の「たちばな古代の丘緑地」で史跡公園整備工事が始まりました。各種検討・審議を繰返し全国初になる飛鳥時代後半の倉庫を復元します。公園工事・建物復元工事を経てお披露目は令和6年度になります。建物復元工事中には、各種工事見学会を予定していますので、普段の生活では見られない宮大工の技術をこの機会に是非ご覧ください。詳細は、後日ご連絡します。
 また、史跡公園整備工事の様子を文化財課のホームページに掲載する予定で現在作成していますので、こちらもご利用ください。
 
 
 川崎市内の文化財に関する解説等は文化財課ウェブサイトもご利用ください。https://www.city.kawasaki.jp/880/category/10-6-0-0-0-0-0-0-0-0.html

2023/1/1 10:00
「かわさきの文化財」メールマガジン

かわさきの文化財メールマガジン 第83号

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○
◆◇◆文化財保護ポスター展を開催します!◆◇◆

 川崎市内の中学生が文化財保護をテーマに作成した全45点のポスター展を行います。今年は市内生徒の作品が神奈川県で最優秀賞に選ばれました!
この機会に力作揃いで個性豊かな作品をぜひご覧ください。

【アゼリア地下街市役所側広報スペース】 1月6日(金)~19日(木)
【岡本太郎美術館ギャラリースペース】 2月1日(水)~12日(日)

イベント詳細はウェブページでご確認ください。
https://www.city.kawasaki.jp/880/page/0000146468.html


◆◇◆「文化財とまちづくりの未来を考える」を開催します◆◇◆

 川崎市教育委員会では現在、市内の文化財を総合的に保存・活用し、地域の歴史文化をいかした魅力あるまちづくりを進めるため「川崎市文化財保存活用地域計画」の策定に取り組んでいます。
 地域計画とそれによるまちづくりについて知っていただくとともに、文化財の保存・活用に関わる活動を行っている皆様の意見を伺うための講座を行います。

講師:松田陽(東京大学)
日時:2023年1月18日(水)14時~
場所:パレール三井ビル13階(川崎区東田町8番地)区役所とは別の入口です!
事前申込:不要

イベント詳細はウェブページでご確認ください。
https://www.city.kawasaki.jp/880/page/0000146465.html


〇〇〇編集者のつぶやき〇〇〇
あけましておめでとうございます。
お正月といえば、おせちですよね!わたしはダントツで数の子、次点でなますが好きです。
皆さんの好きなおせち料理は何ですか?(このメールに返信はできません。)
2023年もどうぞよろしくお願いいたします。

川崎市内の文化財に関する解説等は文化財課ウェブサイトをご利用ください。
https://www.city.kawasaki.jp/880/category/10-6-0-0-0-0-0-0-0-0.html

2022/12/25 10:00
「かわさきの文化財」メールマガジン

かわさきの文化財メールマガジン 第82号

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○
◆◇◆「地名塾」参加者を募集しています!◆◇◆

 地名資料室では、市域や周辺地域の地名に関してさまざまな分野、視点から学ぶ「地名塾」を開催します。
 近代以降の川崎・横浜では、横浜の開港、鉄道の開通、京浜工業地帯の発展や、戦後の大規模な宅地開発など、さまざまな出来事が地域の姿を大きく変えてきました。こうした地域の変化と地名との関わりについて学ぶ全5回の講座です。みなさまふるってご応募ください!

1.日程
令和5年1月26日~3月2日の毎週木曜日 ※2月23日(祝)を除く
14:00~16:00(受付・開場13:30)
[第1回]「身近な地域の変化と地名 近代以降の川崎・横浜を中心に」武田周一郎(神奈川県立歴史博物館 学芸員)
[第2回]「鉄道の創業と駅名の誕生」岡田直(横浜都市発展記念館 主任調査研究員)
[第3回]「京浜工業地帯と地名」武田周一郎(神奈川県立歴史博物館 学芸員)
[第4回]「私鉄の沿線開発と地名」岡田直(横浜都市発展記念館 主任調査研究員)
[第5回]「横浜開港と地名」𠮷崎雅規(横浜開港資料館 調査研究員)
2.対象 18歳以上の方
3.定員 各回30名(定員を超えた場合は抽選になります)
4.会場 川崎市生活文化会館(てくのかわさき)4階 展示室
5.参加費 全5回で1,500円(1回300円)
※希望の回のみの受講も可能です。一度納入された参加費は払戻しできません。
6.申込方法 次の(1)(2)のいずれかの方法で、2名まで申込みができます。(令和5年1月11日(水)【必着】)
(1)インターネット(川崎市教育委員会ホームページの「地名塾」のページから)
(2)往復はがき
申込方法等の詳細については、下記の「地名塾」のページをご覧ください。
https://www.city.kawasaki.jp/880/page/0000145222.html
7.問合せ先
川崎市教育委員会事務局文化財課 地名資料室
電話 044-812-1102
ファックス 044-812-2079
メール 88bunka@city.kawasaki.jp
休室日 月曜・祝日・年末年始
開室時間 9時00分~16時30分


◆◇◆地域文化財「大人のための乙女文楽ワークショップ」◆◇◆

 川崎市地域文化財の乙女文楽を体験できるワークショップが開催されます!
乙女文楽とは、伝統芸能である人形浄瑠璃文楽から派生して誕生した人形芝居です。ぜひこの機会に体験してみてはいかがでしょうか。男性も大歓迎です!

日時:(1)1日体験コース(2月18日または19日 10時-12時)
   (2)じっくり3日コース(2月12日・18日・19日 14時-16時)
会場:ひとみ座 第1スタジオ 中原区井田3-10-31
対象:大人(大学生以上)
定員:12人(先着順)
申込:電話、メールまたはFAXで次の必要事項をお伝えください
(1)希望コース・希望日 (2)お名前(ふりがな) (3)性別 (4)年齢 (5)住所 (6)電話番号 (7)ワークショップを知ったきっかけ
(メールの場合は件名に「乙女文楽体験WS」と記載してください。)

【主催・お問合せ・お申込み】(公財)現代人形劇センター
電話 044-777-2228(平日10時-18時)FAX 044-777-3570
メール ticket@puppet.or.jp
URL http://www.puppet.or.jp


〇〇〇編集者のつぶやき〇〇〇
メリークリスマス☆彡
年末といえば、各所でクリスマスからお正月の切替えを観察するのが楽しみの一つですよね。
わたしは三つ葉とかまぼこの価格を株価のごとく日々チェックしています。
それでは皆さまどうぞよいお年をお迎えください。

川崎市内の文化財に関する解説等は文化財課ウェブサイトをご利用ください。
https://www.city.kawasaki.jp/880/category/10-6-0-0-0-0-0-0-0-0.html

2022/9/22 19:00
「かわさきの文化財」メールマガジン

かわさきの文化財メールマガジン 【号外】

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○
◆◇◆影向寺遺跡第33次調査 現地見学会のお知らせ◆◇◆

 明日、23日(金)に実施予定の「影向寺遺跡第33次調査 現地見学会」につきましては、予定通り実施いたします。
 ただし、天候悪化により中止する場合もございますので、ご了承ください。詳しくは下記の携帯電話までお問い合わせください。

 電話番号:080-7478-1935
 川崎市内の文化財に関する解説等は文化財課ウェブサイトもご利用ください。https://www.city.kawasaki.jp/880/category/10-6-0-0-0-0-0-0-0-0.html

2022/9/15 18:00
「かわさきの文化財」メールマガジン

かわさきの文化財メールマガジン 第81号

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

◆◇◆地名散歩参加者を募集しています!!◆◇◆

 地名を通して川崎市の歴史と文化を知り、地域への関心を深めていただく座学と現地散策の全2回の講座です。
 今回は、高津区の神奈川道と根方堀(二ヶ領用水分流)沿いを中心に歴史をたどります。この機会に是非ご応募ください。

・日時 【座学】令和4年10月16日(日)13:30~16:00
    【散策】令和4年10月23日または30日(日)13:00~16:15
・場所 【座学】生活文化会館(てくのかわさき)4階展示室
    【散策】JR武蔵溝ノ口駅集合、橘樹神社・旭田公園(子母口住宅前バス停)解散
☆予定コース 武蔵溝ノ口駅⇒栄橋⇒片町庚申塔⇒久本神社⇒神奈川道・根方堀⇒水門跡⇒蟻山坂改修碑⇒富士見台古墳⇒子母口貝塚⇒蓮乗院⇒橘樹神社⇒解散(約5km)
・定員 30名(応募者多数の場合は抽選)
・参加費 1,000円

★申込方法★
下記フォームメールまたは往復はがきにて(1通につき2名まで)
○フォームメール【令和4年9月28日(水)まで】
https://sc.city.kawasaki.jp/multiform/multiform.php?form_id=7155
○往復はがき【令和4年9月28日(水)必着】
「地名散歩参加希望」と記入したうえで、現地散策の希望日、住所、氏名(ふりがな)、電話番号を記入し文化財課あてにお送りください。
お二人でお申込みの場合は、上記の情報と併せて2人目の氏名・住所・連絡先を記入してください。

イベント詳細はウェブページでご確認ください。
https://www.city.kawasaki.jp/880/page/0000142106.html


◆◇◆川崎市文化財保存活用地域計画アンケートご協力のお願い◆◇◆

 川崎市教育委員会では、「川崎市文化財保存活用地域計画」の策定に取り組んでいます。「川崎市文化財保存活用地域計画」とは、市内の文化財を総合的に保存・活用し、地域の歴史文化をいかした魅力あるまちづくりを進めるための計画です。

 計画策定に向けて、市内の文化財に関するニーズの把握のため、アンケートを行っています。回答のご協力をお願いします。(所要時間5分程度)
★アンケートフォーム★(回答受付11月30日まで)
https://sc.city.kawasaki.jp/multiform/multiform.php?form_id=7394

ウェブページ
https://www.city.kawasaki.jp/880/page/0000143228.html


〇〇〇編集者のつぶやき〇〇〇
 気候はまだ暑い日が続くようですが、店頭には秋らしい商品が並ぶようになりましたね。スポーツより芸術より「食欲の秋」派のわたしは、新作チェックに大変忙しく過ごしています。秋の新作という名の魔物よ。

 川崎市内の文化財に関する解説等は文化財課ウェブサイトもご利用ください。
https://www.city.kawasaki.jp/880/category/10-6-0-0-0-0-0-0-0-0.html

2022/9/5 19:00
「かわさきの文化財」メールマガジン

かわさきの文化財メールマガジン 第80号

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○
◆◇◆見せます!魅せます!聴かせます!~秋の埋蔵文化財活用事業3連発~◆◇◆

 文化財課では、市民の方がもっと市内の埋蔵文化財を知り、興味をもっていただけるよう、この秋にイベントを開催します。
 第1弾は、国史跡橘樹官衙遺跡群において教育委員会が実施する確認調査において、千数百年ぶりに地上に現れた当時の歴史に触れ、遺跡群の価値や古代のロマンを感じてもらえるよう、現地見学会を開催します。
 第2弾は、開始3年目を迎えた橘樹学連続講座として、橘樹官衙遺跡群周辺の自然景観やこの地域で見られる植物を取り上げ、この遺跡群周辺の地形や過去から現在にいたる土地利用の変遷等について学びます。
 第3弾は、毎回好評をいただいている史跡めぐりツアーとして、初めて中世川崎をテーマに取り上げ、現在放映されているNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にも登場した稲毛三郎(稲毛重成)に縁のある小沢城を中心にめぐります。

1 橘樹官衙遺跡群(影向寺遺跡第33次調査)現地見学会
★誰でも参加いただける、発掘調査の成果を一早く知ることができる見学会です。★
・日時   令和4年9月23日(金・秋分の日)荒天中止・小雨決行 
       13:00~16:00(受付開始12:30、受付終了15:30)
・会場   影向寺遺跡第33次調査現場(宮前区野川本町3丁目430ほか)※駐車(輪)場はありません。  
・申込み  不要。参加費無料。当日気軽にお越しください。
       ※汚れても良い服装・靴でお越しください。

詳細はホームページでご確認ください。
https://www.city.kawasaki.jp/880/page/0000142285.html


2 橘樹学連続講座「古代橘樹を知り、活用する!!」
★「橘樹官衙遺跡群周辺の景観と植物」について、山田 晋氏(東京農業大学農学部教授)による現地での講義です。事前申込必要★
・日時   令和4年11月12日(土)荒天中止・小雨決行   13:30~15:30
・題目   「橘樹官衙遺跡群周辺の景観と植物」
・会場   橘樹官衙遺跡群及びその周辺(高津区千年・宮前区野川本町3丁目)
・定員   30名 ※応募者多数の場合は抽選
・参加費  無料

☆申込み方法☆ 
文化財課ホームページからフォームメール又は往復はがきにて(1通につき2名まで申込み可能)
・フォームメール【令和4年10月17日(月)まで】 
https://sc.city.kawasaki.jp/multiform/multiform.php?form_id=7404&_ga=2.109775814.294307668.1662076732-553281995.1662076732&_gl=1*1ugrri3*_ga*NTUzMjgxOTk1LjE2NjIwNzY3MzI.*_ga_DSC10H9D01*MTY2MjA5MjMxMi4yLjEuMTY2MjA5MjcyNy40My4wLjA.
・往復はがき【令和4年10月17日(月)消印有効】
住所、氏名(ふりがな)、年齢(開催日時点)、電話番号を記入して文化財課あてにお送りください。お二人でお申込みの場合は、上記の情報と併せて2人目の氏名・年齢・連絡先を記入してください。

詳細はホームページでご確認ください。
https://www.city.kawasaki.jp/880/page/0000142962.html
 

3 史跡めぐり「“稲毛三郎”と小沢城探訪~中世川崎の残響を探して」
★まだ謎の多い中世川崎について文化財課学芸員の解説で、稲毛三郎(稲毛重成)縁の小沢城をめぐります。事前申込必要★
・日時   令和4年11月26日(土)荒天翌日延期・小雨決行   13:00~15:30
・集合   京王稲田堤駅南口改札前(12:50集合)※現地にて文化財課職員が集合場所を御案内します
・定員   30名 ※応募者多数の場合は抽選
・参加費  無料

☆申込み方法☆ 
文化財課ホームページからフォームメール又は往復はがきにて(1通につき2名まで申込み可能)
・フォームメール【令和4年10月31日(月)まで】 
https://sc.city.kawasaki.jp/multiform/multiform.php?form_id=7405&_ga=2.33631202.294307668.1662076732-553281995.1662076732&_gl=1*wer46p*_ga*NTUzMjgxOTk1LjE2NjIwNzY3MzI.*_ga_DSC10H9D01*MTY2MjA5NTIzMS4zLjEuMTY2MjA5NTc3Ny4yMy4wLjA.
・往復はがき【令和4年10月31日(月)消印有効】
住所、氏名(ふりがな)、年齢(開催日時点)、電話番号を記入して文化財課あてにお送りください。お二人でお申込みの場合は、上記の情報と併せて2人目の氏名・年齢・連絡先を記入してください。

詳細はホームページでご確認ください。
https://www.city.kawasaki.jp/880/page/0000142969.html


〇〇〇編集者のつぶやき〇〇〇
 まだまだ暑い日が続きますが、暦の上では秋を迎えました。秋といえば「文化の秋」。文化財課では、秋の埋蔵文化財活用事業として3つのイベントを開催します。
 8月末から始まった影向寺遺跡第33次調査では、古代影向寺の西側を区画する遺構と考えられるまっすぐな溝が見つかっています。ぜひ、この機会にご見学ください。
 令和元年度から実施している橘樹学連続講座では、植物や地形を通して橘樹官衙遺跡群を考えます。
 史跡めぐりでは、初めて川崎の中世を取り上げ、稲毛三郎ゆかりの小沢城をめぐります。近世の城と異なる中世の山城の魅力をお伝えします。
 たくさんの皆様のお越しをお待ちしています。この機会にぜひご参加ください!!
 川崎市内の文化財に関する解説等は文化財課ウェブサイトもご利用ください。https://www.city.kawasaki.jp/880/category/10-6-0-0-0-0-0-0-0-0.html

2022/3/18 17:00
「かわさきの文化財」メールマガジン

かわさきの文化財メールマガジン 第79号

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○
◆◇◆川崎まいぶん職員独り言(2)~?!~◇◆◇
 私が普段から頭の中で「こうではないか」、「ああだったらいいな」と根拠なく考えている川崎市域の歴史について紹介してみようというシリーズ第2回です。第1回を発信してから時間が空いてしまい申し訳ございませんでした。また第1回の際にもお伝えしましたが、このシリーズはあくまでも私の『独り言(個人的考え)』ですので、そのことを十分ご理解していただきながら、読んでいただければと思います。
 さて今回は、私が実施した川崎市幸区加瀬山の上にある夢見ヶ崎動物公園の中での発掘調査からお話をしたいと思います。
 まず、夢見ヶ崎動物公園の「夢見ヶ崎」という名前の由来について聞いたことがあるでしょうか?このことについては、1830(文政13)年に完成した『新編武蔵風土記稿』の橘樹郡南加瀬村の記述の中で、「(前略)昔太田道灌コノ地ヘ城ヲ築ント思ヒシニ或夜道灌己ガカブトヲ鷲ノ来●抓ミ郡内駒岡村ト云所ヘ飛去リシト夢見シカバ此事不吉ナリトテ其企ヲヤメケリト其跡ヲ夢見ヶ崎トハ唱ルヨシ土人ハ傳フレトモ外ニヨリ所ナシ(昔太田道灌がこの地(夢見ヶ崎)に城を築こうと計画したが、鷲が兜をつかんで飛んでいってしまった夢を見て不吉だと思い、城を築くのをやめたという出来事から夢見ヶ崎という名前が付いたと地元では言い伝えている)」という記述があります。事実かどうかは分かりませんが、江戸時代に地元ではこうした伝承があったことが分かります。そしてこの伝承によれば、太田道灌は加瀬山に城を築いていないことになります。
 しかし、この伝承を覆すかもしれない発見がありました。それは、今から9年前の2013(平成25)年7月のことになります。この時、川崎市教育委員会は、加瀬山にある了源寺の境内で発掘調査を実施しました(加瀬台遺跡第9地点)。この調査を担当した私は、これまでの調査と同様に、縄文時代・弥生時代・古墳時代の集落跡や古墳・横穴墓などが確認できると想定していましたが、結果としては想定どおり、弥生時代や古墳時代の集落跡の一部を発見しました。ただ、念のため発見した集落がどのように広がっているかなどを確認しようと、発掘調査区(1区)南西側の少し離れた場所に調査区(2区)を設定しました。この2区を掘り進めた時のことです。発掘調査中は地表面から40cmほどで確認できた地山である関東ロームが、2mほど掘り下げても出てきません。様子がおかしいと思い、掘下げるのを一旦やめ、2区を北東側の1区方向に広げていくと、ようやく関東ロームが顔を出しました。そこで、この関東ロームを2mほど掘り下げた部分まで清掃してみると、平坦に見られた関東ロームが途中から急激に下っていく様子が分かり、これが大規模な溝であることが分かりました。この溝は、確認した範囲で幅が3m以上、深さが2m以上の規模があるとともに、2区の南東側に設定した調査区(3区)で、溝の延長部分を確認し、溝が6m以上続いていることが判明しました。これほど大規模な溝が加瀬山で確認されたことはなく、初めての発見でした。
 ではこの溝は何なのか?私はこの規模や形状などから、中世の山城の空堀の可能性が高いのではないかと推定しています。もしこの溝が山城の空堀であれば、太田道灌が夢のお告げで城を築かなかったという伝承が残る加瀬山に、実は城が築かれていたということになります。加瀬山についた夢見ヶ崎という名前は、太田道灌にまつわるという話はしましたが、加瀬山や地名である北加瀬・南加瀬の加瀬の由来は、この地に加瀬氏という豪族がいたためとも言われ、一説にはこの加瀬氏が加瀬山に城を築いていたという説もあります。これはあくまでも推測であって、史料などの根拠はありませんが、前述した調査で発見した大規模な溝は、初めて見つかった加瀬山に城が築かれていた証拠かもしれません。
 この独り言がもし本当で、あの時の調査が、川崎の中世史に新たな1ページが加えた瞬間だったといえる日が来るよう、今後も調査・研究を進めていきます。


〇〇〇編集者のつぶやき〇〇〇
 3月5日(土)に実施した蟹ヶ谷古墳群の現地見学会には200人を超える方にお越しいただき、ありがとうございました。熱心に聞きいる姿を見て、改めて、より多くの方に川崎市内の遺跡を知っていいただける機会を増やしていければと思いました。
 コロナ禍のなか、思うようにならない毎日ではありますが、見学会等を契機に自宅近くの文化財や遺跡にも興味をもっていただけたらうれしいです!
 
 川崎市内の文化財に関する解説等は文化財課ウェブサイトもご利用ください。http://www.city.kawasaki.jp/880/category/10-6-0-0-0-0-0-0-0-0.html